くど造り民家とは屋根がコの字形をしていて,主として麦わらをもって葺かれているが,中には葦や茅を用いているところもある。部屋の間取は,田字形の四間が標準的であって,入口が前と裏にあって直線的に通じ,その片側が部屋となり一方は作業場兼物置の広い内庭となり,その内庭の奥の方に炊事場が設けられ,裏口のそばには用水路が通じて遮光範囲がないなどの優利性が認められる。このくど造りの民家の発生については原因や年代は明らかでないが,鹿島地方では大部分が江戸時代の末期から明治にかけて建立されたものと考えられる。
佐賀県鹿島市市内一円・白石町(佐賀県杵島郡)
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