鯨漁の記録を残す寺として、鯨の位牌と子鯨の過去帖があり、鯨墓とともに捕獲した鯨の霊をなぐさめています。鯨位牌は全高77.5センチメートル、幅22.4センチメートル基壇部の奥行き15.2センチメートルで、鯨児一頭ごとに戒名を贈っています。鯨鯢過去帳は長さ671.7センチメートルの34折の折帖で、1804〜1837年に捕獲された胎児と共に母鯨の戒名も添えています。戒名数は242を数え、その種類、捕獲された年月日、場所、鯨組などが記入されています。捕獲鯨の解体時に往々確認される鯨児にかかわるもので、通津の網元の出身で向岸寺の五代目住職・讃言上人の発案によるものと伝えられます。この文化財は、信仰の対象物であるため、一般への公開はしていません。
山口県長門市通936向岸寺
(1)JR山陰本線長門市駅からバスで(通方面行きバス)
「通漁協前」バス停から徒歩で
時代:江戸時代
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