寛政11年(1799)に、岩槻藩士の儒学者児玉南柯(こだまなんか)が創設した私塾であり、文化年間に藩校となりました。儒学を中心に講義が行われ、藩士の子弟たちがここで学びました。建物は武家屋敷を利用したものであり、木造平屋建て、茅葺屋根の構造です。現在では江戸時代に児玉南柯が創設した当時の姿に復元され、吹きさらしの玄関や漆喰の壁、生徒の入口を設けています。埼玉県内に現存する唯一の藩校でもあります。
「遷喬館」の名称について
詩経(中国最古の詩集)の「出自幽谷遷干喬木」に由来しています。
学問を欲し友を求めることを鳥が明るい場所を求めて暗い谷から高い木に飛び移ることにたとえた内容で、ここで学ぶ物に高い志を持つことを促したものです。
埼玉県さいたま市岩槻区本町4-8-9
(1)東武野田線岩槻駅から徒歩で
建築年代1:江戸後期
備考:拝観無料
-