この古墳は、現在墳丘裾部【ふんきゅうすそぶ】が削り取られているため当時の形を留めていませんが、市内に点在する古墳の中でも、大字和田地内にある蝦夷穴古墳【えぞあなこふん】と並んで大きく、直径約30m以上の円墳だったと考えられます。死者を埋葬する横穴式石室は、墳丘の南に開口し、入口(羨道部【せんどうぶ】)から石室【せきしつ】(玄室【げんしつ】)の奥壁まで約8m、石室の高さ約2mで、蝦夷穴古墳の石室とほぼ同じ規模をもっています。石材には凝灰岩を使用し、奥壁・床・天井・側壁の一部には巨大な一枚石を使用し、そのほかの外壁などには比較的小さな割石を積み上げています。6世紀後半ごろに築造された当地域の有力な豪族の墓であったと考えられます。
福島県須賀川市前田川
(1)須賀川駅から車で
時代:古墳
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