穴文殊
丹後町尾和の海食崖に形成された高さ約10mの海食洞。地質は節理の発達した角閃石安山岩の貫入岩から成る。海食洞は一般に節理・断層・断層破砕帯などの弱線に沿う波浪の選択侵食によって形成される。ここでは節理に沿う選択侵食によって2つの顕著な洞窟が生じている。海食洞の真上、海食崖上の海成段丘には、航空自衛隊分屯基地があり、またその横には、丹後三文殊の一つとして信仰を集める清涼山九品寺の本堂及び山門が現存する。本堂の横手から海食崖下に下りる小道がある。海食洞は、丹後半島の沿岸を中心に数多くみられるが、穴文殊の海食洞は規模の上で有数の立派なものである。