大渡長者の墓
長崎県平戸市岩の上町
今から650年ほど昔、平戸に大渡りという長者が住んでいました。平戸から川内一帯の土地は長者のもので、殿様以上の富を誇り、その持船は北九州から壱岐、対馬まで広く交易をしていました。長者は元は貧しい塩売り商人で、毎日川内に塩売りに行く途中、川内峠にかかると必ず道端の石に一つまみの塩を供え、安満岳の白山権現にむかって「一生のうちには、どうぞ、九十九島の数ほどの船を持つ身分になれますように」と大成を祈願して、精励の末、ついに近国きっての大長者になったということです。最教寺奥の院裏手にあります。