八溝山
福島県東白川郡棚倉町
栃木県、茨城県、福島県境にそびえる奥久慈最高峰の山岳が八溝山(1,022m)です。ここからの視界は360度東に阿武隈、西に那須連峰が一望でき、また条件の良いときは遠く太平洋や富士山まで望むことができます。八溝山にはいくつかの伝説があり修験の山、黄金の山として崇められています。江戸時代末期、水戸藩の過激派浪士らは尊王攘夷の旗を掲げ筑波山に挙兵しました。元治元年(1864)世にいう水戸天狗党の乱です。しかし分裂により弱体化した天狗党は、筑波山を捨て八溝山にて再決起、党の立て直しを図ったが、棚倉藩兵に囚われ斬刊に処せられました。この二十余名の党員の御魂が八溝山のふもと大字大梅字段河内の地に眠っています。当時の棚倉藩主松平周防守康英が処刑地に「三界万霊塔」の供養碑を建立し、現在この地は天狗平と呼ばれ、今だに浪士の末路の悲惨さを語っています。紅葉久慈川源流に映える紅葉は見事です。八溝山遊歩道コース「ふれあいの森遊歩道」が整備されており、ハイキングなど自然とのふれあいが楽しめます。鹿又林道〜頂上(2.5km)4月上旬〜11月上旬春には新緑を、秋には紅葉が楽しめるコースです。